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     船月ノア(ふなつき  ‐ ) / 無性別 / 男性に見える姿形をしている
     宇宙や次元に留まらず世界を旅する旅人。
     小さな帆船で世界を飛び回る。人間の男性に見える姿形をしているが実際のところは分からない。
     とある世界でヒナタを拾った。
     人間の居ない、光の灯らない地球の衛生の上、ひとりぼっちだった。
     しばらく一緒に過ごして、いつものように、置いていくつもりだった。
     気付けば、一緒にたくさんの旅をしていた。
     そして、一緒に別の世界の地球まで辿り着いた。
     光の灯る地球で音を知った。
     歌を知った。
     人間の言葉を借りるなら、煩いのだと思う。宇宙に音は無いから、より新鮮に気持ち悪かった。
     しかしそれらがいたくお気に入りなヒナタのため、今は地球に留まっている。
     音や歌の、何が良いのかは、全く分からない。しかし、ヒナタは楽しそうだから、それがあるならなんでも良かった。


     普段は筆談やテレパシーを好む。理由は自分の器官から出る音があまり好きでは無いから。
     隣で話すヒナタから鳴る音は別に嫌ではなかったから、歌おうが喋ろうが好きにさせている。



    ーーー

     白日ヒナタ(はくじつ  ‐ ) / 無性別 / 女性らしい外見をしている

     月に住むうさぎ帽子の人形。元は人間が月に飛ばした誰かの宝物である。
     誰かは歌うのが好きだった。
     でも、どれだけ歌っても叫んでも宇宙で音は鳴らなかった。
     宇宙で孤独に過ごす中ですり減った記憶の中にはもうほとんど残っていないけど。その色すら、匂いすら忘れてしまったけれど、大切な記憶の中にはいつも音があって、歌があった。
     だから、ノアのテレパシーが久々に聞いた "" 音 "" だった。
     一人でいてもつまらないので、勝手について行きたくさんの旅をした。

     世界を渡るうち、知っている色の星を見つけたから、ノアに頼んで連れてきてもらった。
     雨の水も風の音も海のなく声も全部全部知っていた。これを愛していた!

     似たような音が好きだった。
     歌うのも気持ち良かった。

     だから、ノアにも好きになってもらいたいのだ。
     音も、歌も、ヒナタが大好きなノア自身のことも、地球のことも。






     はるか昔、地球を訪れたことがある。その時、珍しく親しくなった友人が、宇宙に恋をしていた。
     いつか連れて行ってほしい。私の魂を、このお人形に乗せて行くみたいに、たくさんの旅を、あなたと一緒にしたい。

     人間の寿命は短かった。その人の死後、月までその人形を運んだノアは、それから先、長い旅をするにあたって、この記憶は邪魔だ、と考えた。
     いや、そんなに冷たいものでは無かった。この記憶があれば、この時空に、この場所に固執してしまう、と危機感を感じた。
     だから、人形を月に運び、なるべく隕石が当たらないよう月の影に建物を建て、記憶ごとそこに置いていくことにした。


     白日ヒナタは、その時の人形である。